小林副住職の法話(そのニ)
今般のコロナウィルスの影響により休講中の定例法話会に代えまして、拙い法話をHPで掲載させて頂きます。
お読み頂きましたら幸いです。
「色即是空 そのニ」
平成十年の真冬、私は入門して以来十三年目にして、四度加行(しどけぎょう)
という特別な修行を受けさせて頂きました。これは当山では六十三日間の日程で
行い、真言密教(しんごんみっきょう)の作法を学び、不動明王の護摩法(ごま
ほう)を修得するためのもので、その修行の内容を四段階に分けて行うので、
「四度加行」と呼ばれています。
行者(ぎょうじゃ)の日課は、午前二時半の起床から始まり、全裸で頭から水を
かぶり、身と心を清め、手と口を漱(すす)ぎ、三時に入堂します。午前三時・
九時からと、午後六時からと一日三回、それぞれ約二時間半~三時間ずつの行法
(ぎょうぼう)のほかに、午後一時からの諸堂参拝があります。食事はもちろん
精進潔斎(しょうじんけっさい)で二食(にじき)、つまり正午からは五穀(ご
こく)(米・麦・粟(あわ)・豆・黍(きび)の五種の穀物、それらで作られた
お菓子なども含む)を口にすることは出来ません。俗世間との縁を一切断ち...